翻訳と日々

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日暮れだ / セルゲイ・エセーニン

日暮れだ。露が

イラクサの上できらめいている。

私は路肩に立ち止まり、

柳の木に身を寄せる。

 

月から大きな光が

我が家の屋根に差している。

どこかでサヨナキドリの歌が

遠くの方で聞こえている。

 

心地よくてあたたかい、

冬のペチカのそばのよう。

そして白樺の立ち姿は、

まるで大きなロウソクのよう。

 

そして遠く川の向こう、

森のはずれの奥に見える、

眠たそうな番人が

死んだ音色の拍子木を鳴らす。

 

1910年

 

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