2020-09-30 雨が降るまえに / ニコライ・ネクラーソフ 物憂い風が疾走し 雨雲が立ち止まる空のふち ひび割れたモミの木がうめき、 低く囁く暗い森。 小川には、斑点のようにまだらになって、 葉が葉の後を追いかけ飛び交う、 そして乾いた激流となって 注ぎ込んでくる冷たい風。 薄闇が辺り一面に広がると、 四方から飛び寄って来て、 啼き声をあげて空中を 舞い続けるはカラスども。 通りがかりの二輪馬車の上、 幌が下げられ、前は閉じられ、 「さあ行け!」と、腰を浮かせて鞭を持ち、 御者に憲兵が叫んでいる…… 1846年出典: xn----8sbiecm6bhdx8i.xn--p1ai ・ひとこと下層民や農奴たちに寄り添った視点から詩を書いていた詩人です。